高齢者のキッチン事故を防ぐ!危険な事例や台所の安全対策を紹介

「高齢者のキッチンの事故を防ぐためにはどうすればいいのだろうか?」
キッチンまわりでは、料理や掃除の際に火災や火傷、爆発など様々な事故が発生することがあります。
とくに高齢者のキッチンまわりの事故は、住宅内で約17%を占めており、事故が発生しやすい場所になります。
歳を重ねていくにつれて身体的な衰えや判断能力の低下、うっかりなどの不注意が増えていき、ときには命に関わる事故につながる危険性もあるため、安全対策をしなければなりません。
そこで今回は、『高齢者のキッチンにおける事故の事例と予防方法(安全対策)』についてご紹介していきます。
キッチンまわりの危険を減らすために、少しでも参考になれば幸いです。
目次
高齢者のキッチンの主な事故と予防方法を紹介
高齢者のキッチンの事故の多くは、事前に危険性と予防方法(安全対策)について知っておくことで、ある程度は未然に防ぐことができます。
今回は、高齢者のキッチンの主な事故について種類ごとに紹介していき、予防方法と安全対策をセットで解説していきます。
■高齢者のキッチンの主な事故
- 火災に関する事故
- 爆発に関する事故
- 火傷や感電に関する事故
- 切り傷に関する事故
- 転倒に関する事故
- 打撲に関する事故
- 体調不良に関する事故
それぞれ解説していきます。
火災に関する事故
火災に関する事例は、主に次のようになります。
- コンロのつけっぱなし(消し忘れ)による火災
- コンロの火が衣類やエプロンに燃え移って火災
- 揚げ物など油による火災
- コンロ周りに置いた物に引火
- コーヒーメーカーや電気ケトル(電気ポット)などの空焚きによる火災
キッチンの火災については多くの場合、コンロのつけっぱなしや衣類に燃え移るなど、コンロに起因します。
火災の多くは引火しても気づくのに遅れてたり、慌ててしまって冷静な対処ができずに燃え広がるなど、大事故に陥りがちです。
加えて、コーヒーメーカーや電気ケトルの空焚きによる火災の事例もあります。
コーヒーメーカーなどは、長年使い続けていたり動作不良が起きていると、空焚き防止機能が正常に作動せずに異常加熱が起きて、火災に発展する可能性もあるため注意してください。
■火災に関する事故を防ぐ方法
キッチンの火災の多くがコンロによるものなので、IHコンロ(クッキングヒーター)に変えることで、リスクを大きく減らすことができます。
今のガスコンロは、『Siセンサー』という安全装置によって火災リスクを減らすことができますが、火を扱うことには変わりません。
火を使わないIHコンロにすることで、衣類への引火なども防げるためおすすめです。
ただし、揚げ物中の離席など、IHコンロでも火災リスクは少なからずありますのでご注意ください。
空焚きによる火災などの事故については、水がない状態で使用しないことが最も重要です。
コーヒーメーカーなどの空焚きによる火災の多くは、水がなくなっても動作をオンにし続けた結果、本体が高熱になったり、内部パーツの溶損(ようそん)などによって起こります。
通常は、異常加熱が起きた際に空焚き防止機能などの安全装置が働くため、水がなくなっても加熱し続けると自動でオフになります。
ですが、故障などによって防止機能が正常に動作しなくなる可能性があります。
そのため、長年使い続けていたり、機器に動作不良などの故障が見られる場合は、使用を中止してください。
コーヒーメーカーや電気ケトル(電気ポット)の耐用年数は約5年になりますので、5年ほど使用したら買い替えを検討しましょう。
爆発に関する事故
爆発に関する事例は、主に次のようになります。
- 高温や引火、誤ったガス抜きなどによるスプレー缶の爆発
- カセットコンロの爆発
- ガス漏れによる爆発
キッチンの爆発事故の多くは、スプレー缶(カセットボンベや殺虫剤など)に関するものや、ガス漏れした状態でコンロに火をけつるといったときに起こります。
爆発によってケガをしたり、火災を引き起こす危険性があるため要注意。
カセットボンベや殺虫剤など、可燃性ガスが残ったまま高温になる場所(コンロ近くや直射日光が当たる場所など)に放置したり、ガスを抜きの際に誤った処理をして火花が散ることなどで爆発することがあります。
カセットコンロの爆発は、コンロ上で炭を燃やしたり2台並べて使用したり、大きすぎる鍋や鉄板を乗せて火を使う、カセットボンベの老朽化や指定以外のものを使用したり使用方法を誤るなどで発生します。
キッチンのガス漏れは、ゴム管の経年劣化や亀裂、コンロの点検不良、バーナーキャップの不備、元栓や接続部の緩みなどが原因で発生します。
ガス漏れが起きるとガスの臭いが充満しますので、異臭に気づいたらただちに使用を中止して元栓を閉めて換気を行い、ガス事業者に連絡しましょう。
■爆発に関する事故を防ぐ方法
キッチンの爆発事故は、ガス漏れにすぐに気づくようにし、カセットコンロやスプレー缶などの取り扱いに注意することで防ぐことができます。
ガス漏れについては、ガスの臭いがしたら直ちに火の取り扱いを中止して元栓を閉め、窓を開けて換気し、すぐにガス事業者に連絡して対応してもらいましょう。
スプレー缶などをガス抜きする際は、できる限り中身を使い切った状態で、高温になる場所や火気の近くでガス抜きをせず、窓を開けるなどして換気した状態で、専用のガス抜きキャップを使用してください。
カセットコンロを使用する際は、取扱説明書をよく読んだうえで正しい使い方をしましょう。
カセットコンロ上で炭を燃やしたり、2台並べて使用したり、大きすぎる鍋や鉄板を乗せるなどの行為は大変危険なため、絶対にやめてください。
また、カセットボンベは長年使っていないもの(寿命の目安は製造から約7年)は破棄し、指定された物のみを使用する必要があります。
火傷や感電に関する事故
火傷や感電に関する事例は、主に次のようになります。
- 油はねによる火傷
- 熱湯やレンジで温めすぎた物、高温になるホットプレートなどに触れて火傷
- 洗い物などで濡れた手で電源プラグを触り感電
油はねをはじめ、熱湯やレンジで温めすぎた物、高温になるホットプレートなどに触れて火傷する事例が多く、場合によっては水ぶくれになることも。
油はねが目に入ることもあるため要注意です。
感電については、濡れた手で電源プラグに触ったり、コードの損傷や老朽化、漏電などによって起こります。
キッチンまわりには、電気ケトルやコーヒーメーカーなどの家電を置いていることが多く、洗い物などで濡れた手で触ってしまいがちなので注意が必要ですね。
■火傷や感電に関する事故を防ぐ方法
キッチンの火傷や感電に関する事故は多岐にわたります。
火傷を防ぐためには、レンジで温めたものなど高温になる物に触れるときは、ミトン(鍋つかみ)を使うようにしましょう。
電気ケトルは、転倒しても湯漏れを防ぐ機能があるタイプを選ぶことで、お湯をこぼしにくくなります。
また、フタが完全に閉まっているか確認した後にお湯を注ぐことで、熱湯による火傷を防ぐことができます。
電気ケトルを始めとした製品は、軽量タイプを選ぶことで、高齢者でも持ち上げやすくなるためおすすめです。
感電を防ぐためには、濡れた手で家電を触らないようにしたり、コードの損傷や老朽化が見られる場合は交換しましょう。
延長コード(テーブルタップ)やコーヒーメーカー、電気ケトルの耐用年数は約5年になりますので、5年ほど使用したら買い替えるようにしてください。
切り傷に関する事故
切り傷に関するは、主に次のようになります。
- 包丁やスライサー、ハサミ、カッター、缶詰などの鋭利な刃物による切り傷
- 食器を落とすなどして割ってしまい、破片による切り傷
高齢者の場合、缶詰などの鋭利な刃物による切り傷の事故が多くなります。
料理に慣れていても、握力など身体的な衰えや判断力が低下によって食器を落としたり、手元が狂って指を切ってしまう事故が増えるため注意が必要です。
■切り傷に関する事故を防ぐ方法
キッチンの照明を明るくしたり複数の照明を設置して、手元が影になりにくいようにすることで、包丁などの鋭利なものによる切り傷を防ぎやすくなります。
さらに、包丁などは切れ味が悪くなると余計な力が入ったり、うまく切れずに滑らせてしまう危険性が高まるため、定期的に研ぐようにしてください。
割れた食器を拾うときは、厚手のゴミ手袋を着用したり、ほうきとちりとりで集めるようにして、素手で触れないようにしましょう。
加えて、スリッパを履くことで、割れた破片を踏んでしまうリスクを減らすことができます。
割れにくい材質や軽量の食器を選ぶことで、割れたり落下するリスクを減らせるためおすすめですね。
転倒に関する事故
転倒に関する事例は、主に次のようになります。
- 油はねや水はねなどで濡れた床に足を滑らせて転倒
- 踏み台を使って高所の物を取ろうとしたときにバランスを崩して転倒
油はねや水はねなどで濡れた床に足を滑らせてしまったり、踏み台を使って高所の物を取ろうとしてバランスを崩したりして転倒する事例が多くなります。
転倒によって足を捻ったり、頭をぶつけるなどの打撲にもつながるため、注意が必要です。
■転倒に関する事故を防ぐ方法
床が濡れていると足を滑らせる危険性があるため、滑りにくく厚みがあまりないタイプのキッチンマットを敷くことをおすすめします。
また、油はねや水はねに気づいたら、すぐに拭き取るようにしましょう。
踏み台を不要にするために、昇降式の吊り戸棚にリフォームすることも検討してみてください。
昇降式吊り戸棚は電動タイプにすることで、ボタン1つで昇降するため、負担を最小限に抑えることができます。
昇降式吊り戸棚を設置できない場合は、高所に物を置かないようにし、踏み台を使わないよう工夫しましょう。
打撲に関する事故
打撲に関する事例は、主に次のようになります。
- 収納扉を閉めた時に指を挟んでしまう
- 吊り戸棚の扉などに頭をぶつける
- 洗い物や調理器具などが落下して足の指を痛める
- 足を滑らせて手足や頭をぶつける
キッチンにおける打撲の事故は、収納の扉を閉めたときに指を挟んだり、吊り戸棚のような高所に頭をぶつけたり、洗い物や調理器具などを落下させて足の指を痛めるなどがあります。
また、濡れた床に足を滑らせて、手首や足首を骨折(捻挫)したり、頭などをぶつける可能性もあります。
頭部をぶつけると脳内出血を引き起こす場合もあるため、打撲だからと軽視せずに、日頃から事故防止に努める必要があります。
■打撲に関する事故を防ぐ方法
キッチンにおける打撲は、どれもちょっとしたことで起こり得るため、料理や洗い物、掃除をするときは意識を集中させて、ヒヤリハットを減らしていくようにしましょう。
吊り戸棚に頭をぶつけないよう、高所の収納は撤去することも検討してみてください。
背伸びや踏み台を使って取らなければならない場合は、吊り戸棚を撤去することでバランスを崩す危険性も回避できます。
他にも、足を滑らせて転倒した際に頭部や手足を痛めることもあるため、滑りにくく厚みがほとんどないタイプのキッチンマットを敷いたり、床をきちんと掃除しておくことをおすすめします。
体調不良に関する事故
体調不良に関する事例は、主に次のようになります。
- 夏場の高温多湿な環境による熱中症
- 混ぜると危険な洗剤(まぜるな危険)が混ざってしまうことによる事故
- 洗剤の洗い残しや小さい異物などを誤飲
キッチンにおける体調不良の多くは夏場の熱中症で、他にも洗剤や異物を誤飲してしまったり、混ぜてはいけない洗剤を混ぜてしまうことによる事例があります。
キッチンは火を使うため高温になりやすく、湿度も高くなりやすいことから、夏場を中心に熱中症になる方が増えているため要注意ですね。
■体調不良に関する事故を防ぐ方法
高温多湿になりがちなキッチンは、夏場を中心に熱中症のリスクが高まります。
冷房を使うなどして室温を下げて、こまめに水分(塩分)補給をして熱中症対策をしていきましょう。
混ぜると危険な洗剤については、洗剤に『まぜるな危険』といった表記があるため、使用前によく確認してください。
また、レモンの皮などが残ったまま漂白剤を使って掃除をしてしまうといった感じで、意図せず混ざってしまうことがあります。
洗剤を使用して異臭(刺激臭)を感じたときは、速やかに窓を開けたりレンジフードを使って換気し、屋外に避難しましょう(キッチンに近寄らないようにする)。
他にも、洗い残った洗剤や小さい異物(卵の殻や割れた食器の破片など)を誤飲してしまうことで体調不良になることがあります。
洗剤が残らないようしっかり洗い、異物が混入しないよう明るい照明にして、手元がしっかり確認できる環境で料理や洗い物をしましょう。
少しでも体調に違和感を感じたら、すぐに病院で診てもらうようにしてください。
【まとめ】高齢者のキッチンの事故を防ぐためにも事前に予防方法を知ることが大切です
高齢者のキッチンまわりの危険な事故を減らすためにも、事前に事故の種類を知り、予防方法を知っておくことが重要になります。
多くの事故は、日頃のちょっとしたことに気をつけることで回避できますので、今日からぜひ意識してみてください。
また、昇降式吊り戸棚など、キッチンのリフォームによっても事故を防止することができます。
そのため、キッチンのリフォーム時期が来ているのでしたら、事故の防止策をリフォームに盛り込むことをおすすめします。
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