給湯器の安全装置が作動する理由とは?対処法もあわせて紹介
「給湯器からお湯がいきなり出なくなった」「給湯器本体のランプが点滅している」といった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような場合は、機器の故障や配管のトラブルだけでなく、安全装置が作動している可能性も疑いましょう。
本記事では、給湯器の安全装置が作動する理由とあわせて、安全装置が作動した場合の対処法を紹介します。
給湯器を安全に使いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
給湯器の安全装置とは?
給湯器には「安全装置」が搭載されています。
この装置は、機器内部のセンサーが異常を検知すると運転が停止するようになっているので、火災事故や爆発事故などを未然に防ぐ役割があります。
ただし、すべての給湯器に安全装置が搭載されているとは限りません。
近年に販売されているほとんどの給湯器には安全装置が搭載されていますが、古い機器や海外製の機器のなかには、この装置が搭載されていないものもあります。
「安全装置が搭載されている」と思い込んで給湯器を使い続けた結果、一酸化炭素中毒などの深刻なトラブルに発展したケースも存在します。
給湯器を安全に使うには「機器に安全装置が搭載されているか」を確認したうえで、「安全装置が作動したら、原因を調査したうえで適切な解決策を講じる」ことが重要です。
なお、給湯器に搭載されている安全装置には以下の種類が存在します。
給湯器に搭載されている安全装置の種類
- 不完全燃焼防止装置
- 立ち消え安全装置
- 空焚き安全装置
- 過熱防止装置
- 凍結防止装置
- 過電流防止装置
- ファン回転検出装置
- 停電時安全装置
種類ごと特徴は以下のとおりです。
不完全燃焼防止装置
給湯器内の熱交換器が詰まった場合や、室内の酸素濃度が低下した場合などに、ガスの供給を停止する装置を「不完全燃焼防止装置」といいます。
機器内部に搭載されている2か所のセンサーで温度を測定するのですが、温度差がある(不完全燃焼を起こしている)と判断された場合に、運転が停止します。
立ち消え安全装置
火が燃え尽きずに消えてしまう現象を「立ち消え」、そしてガス給湯器内に立ち消えが生じた際に、ガスの供給を停止する装置を「立ち消え安全装置」といいます。
ガスコンロにも搭載されているので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
立ち消えを放置し続けると、ガス漏れを起こすことがあり、結果的に火災事故につながる危険性があります。
空焚き安全装置(過熱防止装置)
浴槽内に水が溜まっていないにもかかわらず、お風呂を沸かしてしまった場合に、ガスの供給を停止してくれる装置が「空焚き安全装置」です。
空焚きの状態が続くと、機器の故障やヤケドなどのトラブルだけでなく、火災事故に発展する可能性もあります。
過熱防止装置
給湯器を高頻度で使用したり、故障している状態で使い続けたりすると、機器本体が熱暴走を起こし、異常に熱くなることがあります。
機器が高熱になった状態を感知して、稼働を停止させる装置が「過熱防止装置」です。
熱暴走を起こしている機器に触れるとヤケドするだけでなく、使用を続けると故障につながります。
凍結防止装置
給湯器は寒さに弱く、外気温が低いと機器内部に溜まっている水が凍結することがあります。
このような事態を防ぐためにの装置が「凍結防止装置」で、気温が一定以下になると、機器内部のヒーターが自動で作動します。
北海道などの寒冷地においては、この凍結防止装置が搭載されている機器を選ぶことは、ほぼ必須だといえるでしょう。
過電流防止装置
給湯器内に、許容を超えた電流が流れている状態を「過電流」といいます。
そして、機器に過電流が起きている場合に、電源を切って稼働を停止させてくれる装置が「過電流防止装置」です。
過電流の状態を放置し続けると、機器の寿命が縮むだけでなく、故障につながります。
ファン回転検出装置
給湯器内には、燃焼に必要な空気を提供する燃焼ファンが搭載されており、このファンの稼働に異常が生じた場合に、機器の運転を停止する装置を「ファン回転検出装置」といいます。
燃焼ファンが正常に稼働しないと、お湯が正常に作り出せないだけでなく、機器の寿命を低下させます
停電時安全装置
「停電時安全装置」は、給湯器の使用中に停電が起こった場合に、ガスの供給を止める装置です。
停電が復旧してからも、自然発火による火災を防ぐ役割があります。
給湯器の安全装置が作動する原因
ここまで、給湯器に搭載されている安全装置の種類ごとの役割を紹介しましたが、装置が作動する理由がわからない方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、給湯器の安全装置が作動する原因を紹介します。
原因①経年劣化
給湯器の安全装置が作動する原因の多くは、機器の経年劣化によるものです。
一般的な給湯器の耐用年数の目安は10~15年程度で、この年数を超えて使い続けると、機器本体だけでなく、ガス管や水道管などに不具合が生じることが多くなります。
その結果、お湯が作り出せなくなったり、熱をうまく逃がすことができなくなったりして、安全装置が作動するというわけです。
原因②連続・長時間の使用
給湯器は消耗品なので、くり返し使用すると機器内は劣化します。
機器の電源をつけっぱなしにする、もしくは使う頻度が多かったり長時間にわたって使用したりすると、空焚き安全装置や加熱防止装置が作動することがあります。
導入したばかりの給湯器でも、連続で使用すると寿命を縮めてしまうので、適度に使用することを心がけたうえで、機器の電源はこまめに切ってください。
安全装置の作動中にしてはいけないこと
給湯器が作動しなくなったり、お湯が出なくなったりしたら、まずは機器本体やリモコンを確認して、安全装置が作動しているかどうかを確認します。
故障ではなく、安全装置の作動によって給湯器が停止している場合は、メーカーや専門業者に連絡して修理を依頼してください。
なお、安全装置が作動した場合には、間違っても以下で挙げる行動をとってはいけません。
再点火する
給湯器の安全装置が作動した場合に、再点火してはいけません。
機器内部に溜まっている一酸化炭素に引火し、爆発する危険性があるからです。
近年で販売されているガス給湯器は、再点火できない仕様になっていますが、製造年度の古い型のなかには再点火できるものもあります。
たとえ再点火が可能でも、点火ボタンは押さないようにしてください。
排気口や給気口を塞ぐ
給湯器の排気口や給気口を塞いでしまうと、不完全燃焼や機器の故障を招くだけでなく、火災事故につながる危険性があります。
排気口から煙がでている場合は、ただちに給湯器の電源を切り、専門業者やメーカーに問い合わせましょう。
給湯器の安全措置の作動したときの対処法
ここからは、給湯器の安全装置が作動した場合における対処方法を紹介します。
方法①室内を換気する
給湯器が室内・室外のどちらに設置されている場合でも、安全装置が作動したら、まずは室内を換気しなければなりません。
ガスや一酸化炭素が漏れている可能性があるので、浴室や台所の窓だけでなく、玄関やリビングを最低でも30分~1時間程度は開放しましょう。
また、ガスに引火して火災事故に発展するおそれがあるので、電子機器の使用も控えたほうが賢明です。
可能であれば、電子機器のコンセントを抜き、ガスの元栓も締めたほうがよいでしょう。
方法②エラーコードを確認する
給湯器の安全装置が稼働すると、機器本体やリモコンに、安全装置の作動を知らせる通知が表示されることがあるので、確認してみてください。
たとえば、給湯器内部で不完全燃焼を起こしている場合、リンナイ製の機器であれば、本体のライトが青色から赤色に変わります。
ほかにも、ノーナイ製の機器では、点火不良や部品の接触不良を意味するエラーコードがリモコンに表示されます。
給湯器の安全装置の作動後は、基本的に業者に依頼しなければなりませんが、危険性が低い場合は、表示のリセットや再起動を試みましょう。
給湯器の安全装置が作動したら、室内を換気してメーカーや専門業者に修理を依頼しよう
いかがでしたでしょうか。
近年に販売されている給湯器には、トラブルを防ぐ、不完全燃焼防止装置や立ち消え安全装置、停電時安全装置などが搭載されています。
これらは経年劣化だけでなく、連続あるいは長時間の使用でも作動します。
適切な頻度で使うとともに、電源をこまめに切ることを心がけましょう。
もし、安全装置が作動して、給湯器の稼働が止まってしまった場合は、速やかに室内を換気したうえで、メーカーや専門業者に修理・交換を依頼してください。
ライフアドバンスジャパンでは、給湯器などの水回りの機器の修理工事や交換工事に対応しております。
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