給湯器の交換にかかる費用はどのくらい?
給湯器の交換を検討しているものの、どのくらいの費用がかかるのかがわからず、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
給湯器にはさまざまな種類があるので、費用相場は押さえておきたいところです。
そこで本記事では、給湯器の交換に必要な費用の相場を紹介します。
失敗しないための選び方も紹介するので、これから給湯器を交換される方はぜひ参考にしてみてください。
給湯器の交換時期
給湯器には、寿命があることをご存じでしょうか?
長期間使用する給湯器は、安全に使用できる標準使用期間が設定されています。
一般家庭で使用する給湯器は、この標準使用期間が10年に設定されているので、交換の目安は10年といえます。
給湯器は長く使用していると、経年劣化による症状が現れるので、以下の症状が確認できれば、交換を検討しましょう。
経年劣化によって生じる症状の例
- リモコンにエラーの表示が出る
- 運転させると異音が出る
- お湯の温度が高くなったり低くなったりする
- 電源を入れてもお湯にならなくなる
- 水漏れが起きている
- 外装が錆びている
- 排気口付近が黒くなっている
もし、標準使用期間を過ぎても交換せずに使用しつづけていると、給湯器本体や配管から出火したり、設定温度以上のお湯が出て火傷したりするリスクがあります。
また、不完全燃焼の影響で一酸化炭素中毒になるおそれもあるので、注意しなければなりません。
給湯器の号数の目安
給湯器は、サイズを「号数」として表すことがあります。
号数は、「水温+25℃」のお湯を、1分間にどれだけ出せるかという量を表しています。
たとえば、10号の給湯器を設置したとすると、「水温+25℃」のお湯を、1分間に10リットル出せるというわけです。
この号数が大きくなればなるほど、給湯器の価格も高くなるので、現状の号数で不満がないご家庭は無理に号数を変える必要はありません。
以下で、号数別に向いている家庭構成の目安を紹介します。
ご自身が当てはまる号数がどれになるのかを、ぜひ確認してみてください。
10号
10号は、かなり小さなサイズです。
家の中のキッチンで食器洗いをするなど、1か所のみで少量のお湯を使う方には丁度よいサイズだといえます。
2人以上になると、お湯の量が少ないので、一人暮らしの方におすすめします。
16号
16号は、2人家族に向いている小さなサイズです。
16号は、10号と同じように、家の中の1か所でお湯を使用する程度であれば、不満なく使用できます。
しかし、3人家族のように、家の中で同じタイミングでお湯を使用する場合、不便に感じるかもしれません。
20号
20号は、3~4人家族におすすめの号数です。
シャワーと食器洗いなど、家の中で同時にお湯を使用しても問題ありません。
なお、シャワーと食器洗いと、食器洗い乾燥機、などを同時に使用したい場合は、パワーが足りない可能性があります。
24号
24号は、給湯器のなかでもかなりパワフルな号数です。
外の環境に左右されず、2か所同時に使用できるので、寒冷地の方でも安心です。
もし、4人家族以上の方や、20号と24号で迷われている方は、24号を選ぶとよいでしょう。
28号
28号は、もっともパワフルな号数です。
イメージとして、シャワーと食器洗いを同時に行っていても、さらにお湯を使えるくらいにパワーがあります。
業務用としても使われることの多い号数ですが、最近では一般家庭でも使用されるケースが増えているとされています。
給湯器本体の価格
給湯器本体の価格には、本体とは別のリモコンの費用も含まれていることがほとんどです。
さらに、サイズやタイプ、機能などによって費用も異なり、グレードアップすると価格が高くなります。
なお、同じ給湯器でも、業者によって割引率が異なるので、同じ価格で提供されているわけではありません。
業者それぞれで得意なメーカーがあり、ノーリツの製品は安く仕入れられる、エコジョーズをお得に提供できるなど、得意分野も異なります。
費用を抑えて給湯器を購入したいときは、複数の業者に問い合わせて見積もりを依頼しましょう。
ここでは、給湯器に暖房機能がついているかどうかに分けて、それぞれの価格の目安を紹介します。
暖房機能がついていない場合
暖房機能がついていない給湯器のなかでも、さらに追い炊き機能がついているかどうかで、費用が大きく異なります。
暖房機能がついていない給湯器の価格を、以下の表にまとめました。
暖房機能がついていない給湯器の価格(20号の場合)
種類 | メーカー希望価格 |
追い炊き機能なし | 17万~20万円 |
追い炊き機能つき
(エコジョーズ オートタイプ) |
32万~37万円 |
追い炊き機能つき
(エコジョーズ フルオートタイプ) |
35万~40万円 |
上記はあくまで目安の価格ですが、在庫の状況によってはさらに割引される可能性もあります。
暖房機能がついている場合
一方で、暖房機能がついている給湯器の価格は、どのくらい差があるのでしょうか。
前述したように、タイプ別に分けてそれぞれの価格を紹介します。
暖房機能がついている給湯器の価格(20号の場合)
追い炊き機能つき | 33万~35万円 |
追い炊き機能つき
(エコジョーズ オートタイプ) |
41万~43万円 |
追い炊き機能つき
(エコジョーズ フルオートタイプ) |
44万~45万円 |
同じ製品でも、業者によって提供している価格が異なるので、気になる製品があれば、複数の業者に問い合わせて、どのくらいの価格で提供しているのかを確認しましょう。
給湯器の工事内容
給湯器の交換を行う場合、6つの作業内容で進めていきます。
主な工事内容と進め方は、以下のとおりです。
給湯器の工事の進め方
- 工事内容の事前説明
- 給湯器の交換工事
- リモコンの設置
- 取り外した給湯器を回収
- 作業後、不具合がないかの動作確認
- 動作確認終了後、周囲の清掃
給湯器を設置する場所によっては、上記にくわえてリモコンの追加や強化ホースへの交換などの作業が必要になるケースがあります。
業者によっては、上記の作業に追加料金がかかるところもあるので、事前に作業内容と必要な費用は確認しておきましょう。
給湯器の工事費用
ここからは、戸建てと、マンションに分けて、それぞれの給湯器交換にかかる工事費用の相場を紹介します。
戸建ての交換に必要な費用の相場
戸建ての住宅で使用している給湯器を交換する際は、もともと設置されていた給湯器が「壁掛け」か「据置」のどちらのタイプに当てはまるのかを確認しましょう。
住宅の形態や、給湯器のタイプによっては、交換にかかる費用が大きく変わります。
ここでは、戸建て住宅の給湯器を交換する際の、費用の相場を以下の表にまとめました。
戸建て住宅の給湯器の交換に必要な費用の相場
タイプ・機能 | 交換費用(本体、リモコン代、工事費用) | タイプ・機能 | 交換費用(本体、リモコン代、工事費用) |
壁掛け
(給湯専用) |
7万~12万円程度 | 据置
(給油専用) |
9万円~15万円 |
壁掛け
(オートタイプ) |
12万~17万円程度 | 据置
(オートタイプ) |
14万円~18万円程度 |
壁掛け
(フルオートタイプ) |
13万~18万円程度 | 据置
(フルオートタイプ) |
15万~20万円 |
壁掛け
(エコジョーズ オートタイプ) |
13万~19万円程度 | 据置
(エコジョーズ オートタイプ) |
16万~20万円 |
壁掛け
(エコジョーズ フルオートタイプ) |
16万~22万円程度 | 据置
(エコジョーズ フルオートタイプ |
17万~24万円 |
このように、壁掛けや据置は、タイプによって最大15万円の差が生じることが分かります。
また、上記はあくまで目安の費用なので、給湯器の号数や機能によって具体的な金額が異なります。
マンションでの交換の費用相場
同様に、マンションの給湯器を設置する際にかかる費用を、戸建ての場合と同様に、表にまとめました。
マンションでは、壁掛けタイプとPS(パイプシャフト)設置タイプの2つに分けて、それぞれの費用を紹介します。
マンションの給湯器の交換に必要な費用の相場
タイプ・機能 | 交換費用(本体、リモコン代、工事費用) | タイプ・機能 | 交換費用(本体、リモコン代、工事費用) |
壁掛け(給湯専用) | 7万~11万円程度 | PS
(給油専用) |
8万円~11万円 |
壁掛け
(オートタイプ) |
12万~17万円程度 | PS
(オートタイプ) |
12万円~17万円程度 |
壁掛け
(フルオートタイプ) |
13万~18万円程度 | PS
(フルオートタイプ) |
14万~18万円 |
壁掛け
(エコジョーズ オートタイプ) |
13万~19万円程度 | PS
(エコジョーズ オートタイプ) |
19万~29万円 |
壁掛け
(エコジョーズ フルオートタイプ) |
16万~22万円程度 | PS
(エコジョーズ フルオートタイプ |
21万~31万円 |
壁掛けタイプは、戸建てと費用がほとんど一緒ですが、PSタイプでは最大23万円もの差が生じています。
もともと設置されている給湯器の場所やタイプに応じて、適切なものを選びましょう。
給湯器の選び方
給湯器を交換する際は、以下で紹介する8つの手順に沿って、進めることをおすすめします。
ご自宅に合った給湯器を見つけて、長く使用しましょう。
ステップ①設置場所の確認
新しい給湯器を選ぶ前に、まずはもともとの給湯器が設置されてある場所を確認しておきましょう。
一般的には、庭やベランダなどに設置されていますが、なかには家の外壁にかけられていることもあります。
もし、既存の給湯器が設置されている場所とは、異なる場所に給湯器を設置したい場合は、移動先の場所に合ったものを選ばなければなりません。
特に、ガス給湯器から電気給湯器への交換では、電気給湯器のほうがガス給湯器よりもサイズが大きいので注意しましょう。
ステップ②サイズの確認
新たな給湯器の設置先が決まれば、適切なサイズを選びましょう。
たとえば、床暖房を導入しようとお考えの場合は、併用できる大型の給湯器がタイプとして適しています。
給湯器が大きすぎたり小さすぎたりすると、かえって光熱費がかかってしまうという事態も考えられます。
費用を抑えようとして極端に小さな給湯器を選ぶと、安全装置が作動する可能性があるので注意しましょう。
給湯器は、外に設置されているため、外気温が低いと1回に使用できるお湯の量が少なくなります。
特に寒冷地では、大きな号数の給湯器を設置しましょう。
なお、マンションやアパートなどの集合住宅では、メーカーや設置できるスペースがあらかじめ決められているケースがあります。
給湯器を決める前に、管理会社に相談しておきましょう。
ステップ④燃料費の比較
給湯器に使われている燃料は、ガスや電気、そして石油です。
なかでも、ガスが多く使われていますが、オール電化の家にする場合は電気給湯器を選ぶとよいでしょう。
逆に寒冷地では、石油を使った給湯器が活躍しやすいとされています。
ガスのみがよいという方もいれば、ガスと電気を用途別に使用できるハイブリット式がよいという方もいらっしゃるかもしれません。
なお、使用する燃料は、地域によって異なるので、家の場所やライフスタイルに合わせたものを選ぶとよいでしょう。
ステップ⑤予算決め
給湯器は、多くの種類が展開されているので、漠然と選び始めると候補が多くなってしまいます。
あらかじめ、給湯器の予算を決めておくと、選択肢が広がりすぎません。
予算は、給湯器本体の価格だけではなく、燃料費も含めて考える必要があります。
たとえば、エコジョーズは、導入時の初期費用が高額になるものの、ガスの使用量や二酸化炭素の排出量を抑えてくれるので、省エネ効果が高いとされています。
そのため、結果として、ガス代が年間で1万円も安くなるケースもあるようです。
給湯器は標準使用期間が10年なので、初期費用だけではなく、中長期的にかかる費用も含めて、使いつづけられるような製品を選びましょう。
ステップ⑥性能・システムの比較
給湯器は、貯湯式と瞬間式の2種類に分けられます。
貯湯式は、タンクいっぱいに水を貯めて、まとめてお湯を沸かす構造なので、電気代が抑えられる深夜帯に、お湯を沸かせます。
一方で瞬間式は、お湯を使いたいタイミングですぐに使えるように、加熱しながら給油するので湯切れがありません。
貯湯式の給水器は、ランニングコストは抑えられますが、多くの水を貯めておけるサイズのタンクが必要です。
小さいタイプでも2メートルほど必要なので、設置したい場所に入るかどうかを確認することをおすすめします。
なお、集合住宅に住んでいる方は、給湯器の音が気になる可能性もあるので、静音性も比較しながら選ぶとよいでしょう。
ステップ⑦給湯器のタイプ
もし、風呂給湯器にする場合、「オートタイプ」「フルオートタイプ」の2種類から選びます。
風呂給湯器とは、キッチンや洗面所のお湯や、お風呂の追い炊きを同時に行える給湯器のことです。
オートタイプは、浴槽のお湯張りや追い炊き、その後の保温まで自動で行えます。
一方で、フルオートタイプは、上記の機能に追加して、足し湯や配管洗浄などを自動で行えるタイプです。
さらに、フルオートタイプには、水位センサーが搭載されているので、浴槽内に残っているお湯に足し湯をしても、適量でストップしてくれます。
比較するとフルオートタイプのほうが豊富な機能が搭載されていますが、オートタイプよりも設置費用が1~2万円ほど高くなりやすいとされています。
それぞれに搭載されている機能と、かかる費用をもとに、適切なタイプを選びましょう。
ステップ⑧メーカーを絞る
給湯器を提供しているメーカーは、数多くあるので、希望に合った相性のよいメーカーを絞ることも大切です。
主な大手メーカーとして「ノーリツ」「リンナイ」「パーパス」などが挙げられます。
上記のメーカーは豊富な実績があるので、それぞれのメーカーが提供している給湯器のラインナップを確認して、希望に合うものを選びましょう。
また、メーカーによって保証内容も異なるので、修理が必要になった場合に保証してもらえるのかどうかなど、確認しておくことをおすすめします。
給湯器の交換で失敗しない業者選び
最後に、給湯器の交換にあたって、業者を探す際に失敗しないための4つのポイントを紹介します。
長く付き合える業者を探すためにも、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント①資格を所有しているかどうか
給湯器の工事は、資格を取得している人しかできません。
必要な資格は「液化石油ガス設備士」「ガス可とう接続工事監督者」をはじめとして、「ガス機器設置スペシャリスト」「給水装置工事主任技術者」などが挙げられます。
なかには、資格を取得していないにもかかわらず、工事を行おうとする悪徳業者もいるので、注意しなければなりません。
会社のWebサイトに、取得している資格を公開しているところがほとんどなので、事前に確認しておきましょう。
ポイント②料金や作業内容が明確に記載されているかどうか
給湯器の交換を依頼する際は、必ず複数社から見積もりをとりましょう。
ある程度の費用が必要になるので、予算内で収まるのかどうかは確認しておきたいところです。
また、業者によっては依頼してもらうために、見積もりの金額は安く提示して、工事を進めていくなかで、あとから費用を請求してくる業者もいます。
そのため、作業内容や金額が明確に記載されているのかどうか、またあとから請求がないのかどうかも確認しておくと安心です。
給湯器本体の価格と工事費用、そして保証内容なども加味して、適切に業者を選びましょう。
ポイント③損害賠償保険に加入しているかどうか
依頼しようとしている業者が、損害賠償保険に加入しているかどうかも確認しましょう。
損害賠償保険とは、物を壊してしまったり、怪我をさせてしまったりした場合に、損害を保障する保険のことです。
損害賠償保険に加入していれば、給湯器の交換工事中に、誤って物を壊されたり、けがを負わされたりした場合に、事業者に損害額を負担してもらえます。
また、上記のようなトラブルが発生した際に、損害額を背負う側が明確になるので、損害賠償保険に加入している業者を選ぶと安心でしょう。
ポイント④事業者の口コミがあるかどうか
事業者のWebサイトに口コミや評判があるかどうかも、事前に確認しておきたいポイントの1つです。
口コミは、第三者目線の評価なので、事業者の人柄や対応が確認できます。
業者のなかには、口コミを公開していないところもありますが、悪い口コミを隠している可能性もあるので、できるだけ口コミが公開されている業者を選びましょう。
また、口コミのほかに実績を公開しているところがあれば、依頼しようとしている工事内容の実績があるかどうかも確認しておくとよいです。
給湯器の交換にかかる費用は号数やタイプによって大きく異なる
いかがでしたでしょうか?
給湯器には、10年間の標準使用期間が設けられており、使い始めてから10年を経過すると、経年劣化による症状が現れるケースがあるので、交換が必要です。
給湯器を交換する場合、号数やタイプ、そして機能によって大きく費用が異なります。
また、同じ製品であっても、業者によって価格が異なるので、気になる製品があれば複数の業者に問い合わせて見積もりを依頼しましょう。
交換前の給湯器が設置されている場所や号数などを参考に、新しい給湯器を選びましょう。
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